ボディスキャンと脳疲労
「いつもだるくて疲れがとれない」
「頭がいつもぼんやりしていてやる気がでない」
「慢性的に、どこかしらに身体の痛みがある」
「常に未来か過去の事を考えていて、頭の中が静まらない」
そんな「特定の病気ではなないけれども何となくスッキリしない感じ」が長期間続いている方、それは「脳疲労」と言われる状態かもしれません。
情報過多社会のなかで絶え間なく注がれてくる情報いわば「刺激性のツール」は常に私たちを取り巻いています。従来の新聞・テレビのみならず、インターネットを介したSNS、サブスクリプション、知らず知らずのうちに入っていくる刺激に対して感覚が麻痺し、無意識にその要求水準をどんどん高めています。徐々にそれらの刺激に慣らされていることから、自らの心身の繊細な変化や不調に気が付くことができなくなっている人が少なくありません。
ちょっとした体の痛みや違和感だけでなく、いつもなら気にならない程度の言葉が気になったり、イライラしたり、気持ちが沈むといった心の変調は誰にでも起こりうることです。そして知らないうちに些細なことでも反応しやすくなっていて、「なんだか心も体も疲弊しているなぁ」と感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
疲弊している状態を放置すると、ますます心身の不調は悪化して、身体が限界を超えたときには、例えばうつ病や自律神経失調症を発症していまうという事態に陥ることも。そうなる前には心身のほうから何かしらのサインが送られていたにも関わらず、自分自身の状態を細かく知ることができなくなっているため、病気になって初めて気づくということになり兼ねません。
「脳疲労」の状態から抜け出すためにまずは自分自身の体の変化に気付く「ボディスキャン」が有効な手だてとなるかもしれません。
ボディスキャンとは、自分自身で頭のてっぺんから足先までをスキャニングするマインドフルネスの実践法のひとつです。
ボディスキャンは静かな環境で仰向けになり、身体と床との接地面の感覚はあるか、身体の重みがあるか、自然な呼吸を感じられるか、……といった調子で、つま先から脚、胴体、腕、肩、首、頭へ意識を動かしながら、丁寧に各所の感覚を探っていきます。
このように書くと必ず注意を向けた先には感覚があるように思いますが、感覚を感じられないこともあります。それだけではなく、気が付くと身体から意識が離れて頭に浮かんでくる別の事ばかり考えていることもあるかもしれません。注意を向ける作業の過程のなかではスムーズにいかず、思うように意識が向かないことも多々ある、それも人間にとっては自然なことです。その自然に起こってくることも「あ~、今自分の中ではこういうことが起きているんだな~」と気づいてみます。こうして物理的に感じやすい身体を「今ここ」に戻す練習の舞台にしていきます。私が学んでいるボディスキャンでは意識を向けることを「やさしい注意を向ける」という言い方をします。注意という言葉がしっくり来ない場合は、内側の眼でそっとやさしい眼差しを向ける、といった感じでしょうか…
これを繰り返すことで脳内の情報処理がキャパオーバーだった状態が徐々に落ち着きを取り戻し、心身ともに整っていくことが期待できます。
マインドフルネスは心の筋トレとも言われています。筋トレはなんどもその部分を使うことによって強化されていきます。「現在の経験」に注意を向け続ける心の筋トレにもなりますので、過去や未来のことを思い悩んでしまう癖の修正にも役立つでしょう。1回で「できた!」というものではなく、繰り返すことによって耕されていき、自分自身の肥沃な土壌となっていくことでしょう。その土壌あっての日常生活です。
”この土壌が肥沃でなければ、つまり、もしあなたがたいしてエネルギーも使わずに適当に行うのなら、安定とリラクゼーションを得るのは難しいでしょう。また、もし土壌が汚染されていれば、つまり、リラックスするように自分を強要したり、「必ず、何かが起こるはずだ」と自分に変化を強要したりすると、なんの進歩も見られないでしょう。そして、「瞑想は意味がない」と早まった結論をくだしてしまうことになるでしょう“
(マインドフルネスストレス低減法/ジョン•カバット•ジン)
無為風為では、毎月1~2回ほどボディスキャン瞑想を体験できる機会を設けて練習していきます。
脳がお疲れ気味だな~と感じられる方におススメのエクササイズです。
開講日時は無為風為ウェブサイトのスケジュールのページをご確認ください。
コメント
コメントを投稿