MBSR_week5「習慣or変化?」

 


week4までは、ストレスの引き金と自分自身を離して見てあげることができるという練習を行ってきました。知らず知らずのうちに、自分が特定の対象に反応してしまうー例えばその人の発言を聞いただけでイラっとする、とか何かの局面に当たりそうになったときに逃げたくなる、とか。そう反応してしまうのは自分の責任ではないということ。そして大切なのはイラっとすることや逃げたくなることが良くないこと、ではなく、今まさに自分がそういう風に感じていることに気が付くことです。ストレスのトリガー(引き金)と自分とが一緒くたに同一化していることから切り離してみて、そこの間にスペースをつくることができます。

それを瞑想や、ボディスキャン、ヨーガといった身体を使ったエクササイズを通して、切り離す練習をしていきます。頭の中だけでコントロールしようと思うと、どうこうしようとする緊張や力がぎゅっと入ってしまいます。そこには、「期待」があるからです。「期待」は今の自分ではない何者か、ここではない何処か、それを望んでいる思考です。つまり今の状況を受け入れられていないということになります。

思考は、自分が心の中で作り出している出来事にすぎません。MBSRの中では思考すらも自分と切り離してみる練習を繰り返し繰り返し行っていきます。何度も繰り返し練習していくうちに「これが自分だ!」と思いこんでいたものを、「あ、これは自分じゃなかった、自分で作り出していただけだったんだな」と気づいて手放していけるようになります。

私もまだまだ練習不足ですが、きっとこの先にはそういう世界が広がっているんだろうな。だからこそ受講者のみなさんと一緒に探索します。私は講師ではありますが、いち練習している身でもあります。一人ひとりの体験は違っているので、その体験を教えてもらうのがとても楽しいです。

本題とずれてしまいましたが、ストレスのトリガーと自分とのスペースを作ることによって、一択しかなかった道が、幾本にも選択肢が増える余地が生まれます。選択肢は1つよりもいくつかあったほうがヘルシーですね。自分が苦しくなっているとき、ギュッと心が閉ざされているようなときに、それに気が付いて自動操縦で連れていかれている習慣的行為から、私たちは別の道を選択する力を誰もがもっているのです。

この別のルートを開拓していく作業こそがマインドフルネスで培えていく力になるのです。

コメント